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ホーム >> 入居後の基礎知識>> 長期修繕計画はなぜ大切か?
企画・編集・発行: 城戸義雄


長期修繕計画はなぜ大切か? Part3


(3)長期修繕によって維持される資産価値

長期修繕計画によって維持する資産価値とは、どんなものでしょうか。
筆者は次の2点ではないかと考えます。

1)生活環境を支える性能
2)間接的な評価としての資産価値(たとえば売却時の評価として)


 ◆生活環境を支える性能

屋上防水、あるいはサッシュや外壁周りの止水シール、塗装部分や配管、ポンプなどの主要部位を新築時と同じ性能を確保する事によって、最も大切な「安全な居住生活の確保」が可能となります。

前ページ「(2)これからの長期修繕計画」でも触れたとおり、今後の長期修繕計画は「バリューアップ(価値向上)」という側面も取り入れつつ展開される方向に進むのではないかと考えます。結果として、新築時と同等以上の性能をマンションに装備する、これこそが資産価値づくりにつながると考えます。

管理組合にとって悩ましいのは、「どんな状態をもって、修繕必要(投資必要)と判定するのか」という客観的基準ではないでしょうか。これに役立つヒントとして、既存住宅に発行される「建設住宅性能評価書」があります。

この評価書を取得すれば、現在の物理的な劣化状況を把握できます。その中の弱点を改善していくことを長期修繕計画の目標とすれば、結果として資産価値の維持につながるのではないでしょうか。


 ◆間接的な評価としての資産価値(たとえば売却時の評価として)

バブル期に分譲されたマンションに、大幅に値下げした価格帯がつけられ、新古あるいは中古マンションとして市場に供給されているのを目にされることがあると思います。

たとえご自身のマンションを売る意思が無いにしても、金銭的な資産評価としてのマンション売買価格が下がっていくことは、受け入れがたいのではないでしょうか。

売買価格が設定される仕組みは、建物の残り償却年数から価格を査定していく簡易的な手法から、(財)不動産流通近代化センターが発行する指標や鑑定者独自の視点をくわえた査定など様々です。

土地価格が右肩上がりで上昇する時代が終了した日本において、金銭的な資産評価としてのマンション価格の下落を食い止める方法はあるのでしょうか。果たして、それが長期修繕とどう結びつくのでしょうか。

手掛かりのひとつが、住宅金融公庫の優良中古マンション融資評価基準です。この基準をクリアした中古マンション購入者には、融資条件を優遇するという仕組みです。

マンション入居者の視点に立って言い換えれば、「自分のマンション」=「優良中古マンション」となる、これを管理組合の行動目標とし、そのもとに長期修繕計画を立てていけば、結果として前述2つの資産価値も手にできるのではないか、と筆者は考えます。

「隣のマンションも工事したからうちもそろそろか?」「見た目は大丈夫そうだけど、○○会社から頻繁に勧められるから、そろそろか?」といった動機ではなく、「20年後に自分たちのマンションをこのような姿にしたい」という目標をたてた上での長期修繕計画、結果として皆でつくりあげる資産価値という方向性こそ、これからのマンション維持管理だと考えます。





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