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| 企画・編集・発行: 城戸義雄 |
●マンション建替え制度=永住時代の必須知識 Part4
区分所有法とは何か
参考文献:
「マンション建替えの法律と税務」(税務研究会出版局発行)ほか。
平成14年の法律改正より、分譲マンションの建替えは区分所有者の多数決によって決議できるようになりました。
つまり、建替え反対の区分所有者が居ても、その方の意思に反して専有部分を取り壊す事ができるようになったわけです。一般的に所有権とは「排他的なもの」、すなわち「誰に何と言われても影響を受けないもの。」と解釈されますが、建替え制度が整えられていく過程で、法律上の所有権解釈も、変化し始めているといえます。
結論として、マンション建替えの必要性・重要性が高まる以上、所有権制度にも変化が加えられるのは極く自然の成り行きではないかと考えます。
本来民法では1つの建物には1つの所有権しか認めていませんが(一物一権主義)、1棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所または倉庫その他の建物としての用途に供することができる部分は、所有権の目的とすることができるとされています。
このような部分(専有部分)に所有権を設定できる制度を区分所有といいます。明治時代に民法が定められて以来、これまでの区分所有に関する法律は平成16年までに計3回改正されました。その変遷を整理します。
※ 区分所有法は民法の特別法で、正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」と
いいます。
1.明治時代
いわゆる「明治民法典」が日本の区分所有制度の出発点です(民法208条)。当時の明治政府・制度取調局長官(後の司法卿)江藤新平が、「フランス人の民法典」(1807年「ナポレオン法典」と公式名称のもとに改めて公布)をもとに日本の民法典をつくろうとしました。その流れを受け、民法208条はナポレオン法典644条がそのまま受け継がれました。
2.昭和37年
民法208条が廃止され、新たに「建物の区分所有等に関する法律」が制定されました。管理者、規約、集会といった区分所有特有の管理制度がつくりだされました。なおこの時点では、建替えは全員一致でないとできませんでした。
3.昭和58年
この時、建替えが全員一致から多数決によって可能と改変されました。
きっかけは昭和40年代のマンションブームを経て、「全員一致原則」=「個々の区分所有権の自由度を保障する仕組み」に問題が見えてきましたことです。
※たとえば規約を改正しようとしても、1人の区分所有者の反対があると
話が前に進まないといった事が問題化してきました。
そこで、2つの変化がこの時点で加えられました。
1つは区分所有権と敷地利用権と分離処分禁止。
マンション建物が存在する限り、専有部分の処分に敷地利用権まで効力が及ぶようにし、個々人の権利行使に制限が加えられました。
その結果として2つめに管理制度の充実化が図られました。
決議における多数決主義の導入、義務違反者の排除、建替え制度の法定など。
建替えは、「客観的要件」として、現建物価格の過半以上の費用が維持回復に掛かる場合に多数決で決められものの、その算出規準に明確さはなく、結果として課題が残る改変となりました。
4.平成14年
阪神大震災の経験をきっかけとし、建替えの障壁となっていた抵当権などの権利変換を制度化し、建替えをしやすくするための改正が行われました。
区分所有法の改正とともに、マンションを建替える事業について定めた「マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下、「マンション建替え円滑化法」と呼ぶ)」が成立しました。
この2つの法律は一体のものとして捉えられており、最大の特長は
1) 昭和58年時点の「客観的要件」が削除された。
→多数決のみで建替えが可能となった。
2) 建替えを行う主体者(施行者)に、都道府県知事の許可のもと、
法人格が与えられた。
→透明性の高い事業推進が可能となった。
3) 権利変換の仕組みが整備された。
→建替え非賛成者の権利移管手続き、抵当権、借家権などの変換がスムーズに。
このような区分所有法の上に、分譲マンションの所有形態が成立しています。
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