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ホーム >> 入居後の基礎知識>> マンション建替え制度
企画・編集・発行: 城戸義雄


マンション建替え制度=永住時代の必須知識 Part6


これまで、建替えが進まなかった背景

1. 建替え事業主体に法人格が与えられていなかった。

マンション建替え円滑化法が施行される平成14年12月以前は、民法上の組合に類似する任意団体で事業を行わざるを得ませんでした。 その結果、任意団体は工事請負契約の締結など法律行為の当事者となれないため、区分所有者全員が個別に締結せねばならず、手続きが非常に煩雑とならざるを得ませんでした。

また建替えに反対する区分所有者の権利買取においても、デベロッパーなどの事業参加がない場合は、区分所有者個々人が負担せねばならず、重い障壁となっていました。

マンション建替え円滑化法の制定以後は、建替え組合に法人格が認められたため、手続きの簡略化のみならず、事業の透明性も確保できるようになりました。


2. 権利の円滑な移行が難しかった。

たとえば抵当権の場合、建物を取り壊す際、一時的にでも抹消するため貸付金の弁済が必要ですが、これを個々人で負担するのでは荷が重過ぎました。また住戸を借家として他人に貸していた場合、立ち退き問題などが生じ建替えが進みませんでした。

マンション建替え円滑化法によって、抵当権を一度消すために事業主体に所有権を売って建替えを可能にしたり、借家人や区分所有者の建替え工事中の住まい確保のため国および地方公共団体の協力体制が整備されるなど、第一種市街地再開発事業をモデルにした権利変換の仕組みが導入されました。



3.建替えには客観的状況が必要とされていた。

平成14年以前は、老朽、損傷、一部滅失などの理由でマンション機能の維持回復に、過分の費用が必要とされるなど、客観性がある場合のみ、多数決による建替えが認められていました。

つまり敷地の有効活用や、維持管理の資金的問題から建替えを選択する場合、区分所有者全員の合意が必要でした。この全員合意という状態をつくりあげるのが非常に難しい上、一体どの程度の現象が、法律でいうところの「客観性」に相当するか規定が曖昧だったため、結果として建替えが進みませんでした。

これらの問題を解消するため、 

1) 区分所有者の数の4/5以上の賛成
2) 議決権(=共用部分の共有持分)の4/5以上の賛成


という2点が同時に満たされれば多数決で建替え決議ができるよう、平成14年12月に法改正されました。


4.もっとも肝心な資金的課題。

たとえば建替えても床面積を今以上に増やす事ができないため、結果として民間事業者の参加が得られない場合、事業費用を参加者の負担金だけでまかなうしかありません。

しかしこれが重荷となり、結果として区分所有法による建替えが進まなかったことが考えれれます。住宅金融公庫には建替え専用の融資制度も存在しますが、特に高齢世帯が住んでいるマンションの場合は、融資返済が心理的負担となるなど、こういった特殊な融資制度も建替促進の決め手にはなっていないと思われます。

ただ緩やかではありますが、平成14年のマンション建替え円滑化法によって、建替不参加者の住まい確保に関する措置やマンション転出者に対する優遇税制など、法律による公的バックアップが徐々に整備されてきました。





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